残された者として<Kankitsu>

 能登半島地震でお亡くなりになられた方にお悔やみを、被害にあわれた方に心からお見舞いを申し上げます。
 2021年7月に土石流の被害にあった者とし、何ができるか考えました。自分の経験(失敗)が役に立つのではないのかと考え、その想いを綴ります。
 命の危機と隣り合わせの中、そして先が見えない中で、被害家屋の解体、撤去が計画される。現実を受け入れることができないまま撤去される家屋には、ほかの人には判らない各家の歴史が詰まっている。それらは一度失われてしまったら、おそらく二度と取り戻すことができないものである。
 行政には解体の際には、家人の許可を得ることと、助け出された大切な品々の保管場所確保を是非ともお願いしたい。伊豆山では知らない間に家屋が解体されてしまったり、流されずに残った物もいつの間にか捨てられてしまっていた人も多かった。たとえ小さくても、家の歴史、文化を残すべきではないか。それらが守られることにより地域に対する愛着を感じ、戻る人が多くなるのではないのだろうかと私は思う。

 

2024年01月30日|声:被災者の声