埋もれゆく被災地<Yurari>

歴史深い伊豆山権現の鎮守こごいの森に沿って、いつしか小川が形成され、逢初川とよばれた。
夏には沢蟹が遊び、秋には蛍が舞っていた小川に、漆黒の大津波が襲った。
何気ない日常、思い出の品々、大切な人の命までも奪って。
いったい何がおこっているのか?
呆然とたたずむだけだった。

水量の少ない小川に、なぜ?
真実を知りたい…
土石流から3年、復旧・復興への道のりもまだ遠い。
流出した土砂はおおかた取り除かれたが、被災者の心に積もった泥は、日増しにその高さを増すばかりだ。

2024年01月13日|声:被災者の声