土石流に被災して<Kankitsu>

 被災した時に持ち出したリックの中には、常用している薬(処方された薬)を入れることはできなかった。そして1日や2日服用をやめても、直ちに命に係わることはないと勝手に判断していた。
 2次避難所であるホテルに入ると直ぐに、薬剤師会、医師会の方から薬や体調(コロナの流行している期間だった)のことで尋ねられ、常用している処方薬があることを伝えた。するとその日のうちに、確か1週間分だったと思うが薬が届き、その薬がある間に医療機関に行き診察を受ければと、随分と気持ちが楽になった。湯河原への通院の際、電車で通る数秒の間に、伊豆山がどのようになっているのか食い入るように見たことを覚えている。
 また歯科医師会の方には、亡くなられた方を歯形などで身元の確認をしていただいた。改めて医療関係者、ご協力いただいた方々に「ありがとうございました。」と申し上げる。狭い地域の災害であったが、とても手厚くして頂いた。そしてこれは、普段から非常時を想定した訓練をされている結果だと思った。
 令和6年8月8日、南海トラフ地震臨時情報が出た。食料・飲料水、薬、どこにどう避難するのか、家族との連絡はどうするのか、地震だけでなく想定し得るあらゆる事態を考え、生きぬくための準備を進める機会としたい。

2024年08月25日|声:被災者の声