唯一のもの ―川の護岸材料―

 

 土石流災害によって破壊された町を、復旧・復興していく過程で、唯一住民の意思によって決められたものがある。 令和4年11月、静岡県により逢初川の護岸材料を、次の4つの案のうちどれが良いかアンケート調査が行われた。
 案1 粗面ブロック
 案2 粗面ブロック(擬石タイプ)
 案3 天然石埋込ブロック(自然石使用)
 案4 自然石(玉石)
それなりの数の世帯が回答し、景観を重視するなどの理由により、案4の自然石(玉石)に決定した。住民の意思が反映されたのは、唯一これだけである。それ以外の、川や道路の計画に係るものなどについては、全て当初立てられた県や市の計画通りである。唯一、川の護岸の材料については、住民の意見が取り入れられたのである。

2024年07月03日|被災地の今:川と道路の現状