仮設防災工事 ―源頭部D工区―

 

 逢初川源頭部の北側奥に位置するD工区と呼ばれるところで、仮設防災工事が始まった。工期は令和6年2月から5月末までと掲示されている。工期通りだと梅雨の前に完成する。そうすれば、住民も少し安心できることだろう。しかし、5月に確認すると、工期が7月末に変更されていた。7月3日に土石流が発生したことを思えば、住民としては、非常に不安である。でも、なぜ仮設がついているのか。防災工事をする目的は何なのか。そもそも仮設防災工事が行われていることも、住民は知らされていない。また、防災工事の掲示の横に、宅地開発のための林地開発許可証も掲示されている。工事施工業者名は未定、完了予定は令和10年3月31日になっている。いずれも、静岡県東部農林事務所長の許可である。
 過日、静岡県熱海土木事務所に確認したところ、防災工事のことは知らず、私有地のため立ち入ることはできないとのことである。静岡県の組織の中であっても、部署が違うからということなのだろう。しかし、土石流の原因の一つとして、行政の不作為があったと前県副知事が言っていたが、縦割りで、関係部署との連携がとれていない状況は、以前と何も変わっていないように思われる。
 以前の説明会で熱海市は、現在工事している場所について、責任をもって静岡県とともにしっかり指導すると言い切っていた。しかし、熱海市からも住民に対する説明はなにもない。

2024年07月03日|被災地の今:逢初川源頭部