静岡市長の会見を見て<Kankitsu>

 先日(2025.1.30)ユーチューブで、静岡市長の熱海土石流の原因究明に関する会見を見た。県の原因究明の元責任者としての会見である。
率直な感想として、一体誰に向かっての会見だったのか、被災者の一人として疑問に思った。
 最初に、「事実」と「真実」について語られたが、副知事として話していたころに比べ断定的な言い方が少なくなっているような気がした。以前は、「地下水が原因で表流水は関係ない」というような言い方をしていたと思うが、今回は「表流水、そのことは否定しない」などと言っている。
 不思議なのは、発災直後にコンサルタント会社に委託しての原因解析結果は、一般には公表されていない。公文書の開示請求をしなければ見ることができない状況に置かれている。結果を広く公開し、それに対し多くの意見が集まることにより真相の解明に近づくのではないかと思う。

 先入観を持った原因究明は避けなければならないが、私は盛り土が崩壊し、土石流が起きた原因の一つは、静岡市長が言った盛り土内の水道管破断の1800トンの水と、盛り土に流入した表流水が原因と考えている。1800トンの水は、今まで発表されていた約2倍の水量であり、非常に驚くべきことだった。

 今回の土石流が起きたことで大きな疑問が3つある。
1. 第1波より第2波の方が大きかったのはなぜか。第2波の方が流動化していた理由は何か。
3日間の雨を溜め、第1波の土石流は起きた。30分後に第1波を超える第2波が起きた。非常に流動化したものだった。通常、水が飽和状態になり、耐えられなくなって第1波が起こったのなら、第1波の方が大きいのではないか。たった30分で第1波を超える第2波を起こすだけの水がそこに集まるのか。他所から水を供給するようなものはなかったのか。
2. なぜ土石流は、7回もの段波により、海まで流れ下ったのか。
新たに水が供給されなければ、土砂は流下を止める。土砂を7回も流下させた水はどこから来たのか。
3. 太陽光発電からの水は無かったのか。
県がドローン撮影した映像に、太陽光発電方向からの水の流れが、少しの時間だけ映っている。その水はもし逢初川に流れてこないとすると、支流に流れることになるが、支流で異常があった報告はない。
 土石流は水がなければ起きない。どこからか水が供給されている。静岡県、熱海市ともにその情報を持っているはず。大きな被害を受けた被災者のためにも、それを公表していただきたい。いや、公表しなければならないと思う。

※  写真は、市道七尾本宮線。逢初川源頭部に向かって水が流れた痕跡がある。

2025年02月18日|声:被災者の声