農地の再生
警戒区域の中には、少しだが農地があり、複数の人がそこで作物を作っていた。農家として野菜を出荷している人もいた。
熱海市は、令和5年度及び令和6年度の市長の施政方針の中で、「伊豆山土石流災害により被災した農地の復旧につきましては、土地所有者及び関係者と協議を行いながら進めてまいります。」としている。熱海市は農地の再生にかかる費用に対して、補助金を交付することを該当者に約束している。当初、令和5年度で補助金のための要綱を作り、補正予算を組んで交付するという話だった。しかし、令和6年3月22日に開催された第2回熱海市復興まちづくり推進懇話会の中で、観光建設部長より現在制度について検討中である旨の説明があった。農地は宅地などと比べて軽んじられることが多い。だが農家にとっては、農地を失うことは生活の糧を得る術を失うことである。例えるなら、製造業の人が工場を失うのと同じである。農家は農地がなければ農業ができないのである。生活の糧としてだけでなく、生きがいだったり、心の支えとしても、農業を続けられることは農業者にとって、とても大きな意味がある。再生を希望する農業者全てが、また以前と同じように作物を作ることができるようになることを願ってやまない。