盛り土の中身
先日、静岡大学の先生が、盛り土の中に多摩川河口からの土砂が含まれ、これは隙間ができやすく水分を溜めやすい、盛り土としては適さない土砂だと発表があった。以前には、崩落地の黒色の土砂は、褐色の土砂よりも崩落しやすい性質を有していた可能性を同じように示している。
県の行った落ち残った盛り土の代執行工事は、一般的な斜面の安定解析法により設計された。地下水の問題もあるが、盛り土として適さない土砂は安全性に問題がないのか、一般的な方法で良いのか疑問に思っている。
また、県の盛土条例は、盛り土に含まれる汚染物質が環境に与える影響にも重点を置いているため、盛り土外に流出する水を年2回検査することになっている。この盛り土からの水も検査していて、測定結果は、県の規則の基準以下と発表されている。しかし、撤去した土砂に鉛が含まれていたのであるから、残した盛り土にも鉛が含まれている可能性は否定できない。
写真は、行政代執行工事中に、盛り土から出てきたものである。コンクリート片、埋め立てられた木、オイル缶、今回発表された盛り土に適さない土砂もあったようだ。そして、今も谷には、盛り土から出た数えきれない岩がそのまま置かれている。
県は、盛り土が安全だとは言わない。盛り土の安全性は確保するようにしている、と言っている。つまり、確保するようにしているが、確保できているかはわからないということなのだろうか。