感謝<SATO>

この三年、忘れたいことばかり
でもね、忘れちゃいけないこともたくさんありました
救助2023年7月
土石流に道をふさがれて袋小路で救助を待っていた
どんなに怖かっただろう、電話の声は震えていた
11mの擁壁を登って救助されました
「消防の人は上手だな、ロープでうまく上げてくれたんだよ」
父はそう申しておりましたよ、その言葉にもう一度救われました
捜索 2021年7月
信じられなくて、伊豆山を見に戻る
澄み切って青く緑は濃く、きれいな空と山は変わらないのに!
下界は泥でおおわれ その中には大切な人たちが閉じ込められている
強い日差しがカラフルな作業着に濃い影をつけていた、あの光景
消防・警察・自衛隊・関係者の皆さんの懸命な姿が目に焼き付いています
市役所の職員 2021年8月
救急搬送の知らせで駅に走りましたが、目の前で最終電車が出ていきました
緊急手術の父と避難所の母に、保健婦さんたちは徹夜で付き添ってくださいました
守衛さんがHUBになり、朝まで丁寧に正確に病院の様子を伝言してくださいました 
どれだけ頼りに感じたことか
ボランティアさん 2021年9月
「警戒区域の家には父に最後に着せたい着物があるのだけれど、、」
「僕たちが付き添うから取りにいきましょうよ、監視員さんに頼んでみるから」
今どうしておられるのでしょうか、伊豆山を覚えていますか
弁護士 2023年4月
法律は難しくて、弁護士事務所に教えを乞いました 
言葉に無駄なく簡潔明快に行政訴訟と集団訴訟の疑問を解いてくださいました
災害関連死の法的疑問は「存じませんでした」と言いながら一緒に調べてくださいました
最後に言われました「この事務所でも、熱海の被害者の力になりたい手を上げたいという若手がおりました、盛り土は新しい問題で若い人が一生懸命勉強して切り開き成長するのにふさわしいのです、我々ベテランが支えて、、、とも考えましたが、こちらから申し出ることを倫理的にためらいました」「勝ってください」
2時間の法律相談で迷いはなくなり、自分の役割を知りました
余談:その若手弁護士さんに「TRUTH」を送りました

誠実な人たちとの出会いに感謝です 皆様に幸いあれ

2024年08月10日|声:被災者の声