年1回の地区別説明会


 令和6年3月22日開催の第2回熱海市伊豆山復興まちづくり推進懇話会の中で、「関係者への丁寧な説明と合意形成」についての要望があり、熱海市は「今後も地区別説明会のような、参加された方が意見を述べやすい、少人数による意見交換を継続し、分かりやすい説明と丁寧な意見徴収につとめてまいります。」と述べている。そしてその対応として、令和6年8月から11月にかけて、元警戒区域を7地区に分けて6回の地区別説明会と、3町内の町内別説明会を開催する予定である。説明会としては9回開催されるが、住民は自分の該当する地区の説明会に1回しか参加できない。そして、今年度の地区別・町内別説明会はこれしか開催されない予定である。つまり、年1回しか開催されないのである。
 7月31日の第3回復興まちづくり推進懇話会でそれが示されると、委員からは不満の声が挙がった。当日出席の委員7名のうち4名から「説明会が少ない」、「もっと意見を聞いて欲しい」、「市長が忙しいなら職員だけでも来て毎月でもやって欲しい」という声が挙がった。被災者・住民は、自分たちの今の状況を聞いて欲しいと思っているし、熱海市が何をどのようにしようとしているのか知りたいと思っていて、この先どうなるのか不安を感じている。年1回しか開催されないのは、あまりに少なすぎる。しかし、それを聞いた市長の回答は、「工事の説明会もありますから」であり、これ以上地区別・町内別説明会を増やす気はないようである。分かりやすい説明と丁寧な意見徴収をすると言っておきながら、年1回しか開催しないのはあまりにお粗末である。
 被災者・住民はみな、先行きに不安を抱えている。言葉だけではなく、もっと被災者・住民に寄り添う姿勢を見せるべきではないだろうか。

2024年07月25日|被災地の今:被災地の現状